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スキルアップコラム 2005
仕事のできる人には認定資格試験は無用?
「日本人は資格好きである」とよく言われます。確かに各種国家試験はもとよりIT関連を中心に企業による認定資格等、その数は日本国内で実施されているものだけでも数百種類におよびます。

自分自身では「知識を持っている、能力がある」と自負・公言しても、それを他の人や企業側から見た時、その人がはたしてどの程度の知識や能力を持っているのかを判断することは容易ではありません。そこで「共通のものさし」としての資格や認定制度を用いることで、お互いの判断の材料が得られるわけです。

その資格や認定制度の「価値」については、受験者・資格保持者本人だけが認知しているだけでは不十分です。その人が所属する、あるいは取引先等となる企業・団体が認知してはじめて「共通のものさし」となります。

「共通のものさし」としての資格・認定制度の価値評価は、1990年代後半より急速に定着してきています。一方で「資格を持っているからと言って、必ずしも仕事ができるとは限らない」との声もしばしば聞きます。その真意とは何なのでしょうか。

 「仕事のできる人」の基準が変化!

そもそも「仕事のできる人」の評価基準とは何なのでしょうか。基準は人や企業によっても異なり、文書として定義されているケースもあれば、感覚的や概念的なものとして評価されていることも少なくありません。評価の範囲も時代と共に変化してきています。

例えば、IT関連技術者は、15年前頃はコンピュータ技術者、ソフトウェア技術者と呼ばれていました。プログラミング等のある領域の専門的知識や技術・技能を持ち、それを活かした実務に長けていると「仕事ができる人」と評価されていました。

最近では、求められるスキルや能力が複数の領域に及ぶようになっています。技術領域だけではなく、対人能力、調整能力、マネジメントスキルといった領域も兼ね合わせて持っていると「仕事ができる人」と評価されるように変化しています。

人材採用においても、履歴書・業務経歴書による審査、面談による審査が一般的に行われています。履歴書に記述されている資格等が、業務に必要な一定レベル以上の知識、スキルを持っているかを客観的に判断する材料となっています。

業務経歴書においては、資格等により裏づけされた知識、スキルがどのような場面でどのような形で実践された経験をもっているかの判断がなされます。面談ではコミュニケーション能力について判断されます。

ある単一の領域における知識や能力を計る「共通のものさし」だけでは、その人の全体像を計れるものではなくなってきています。しかし、資格や認定が知識・能力レベルの「可視化」を助ける道具として活用されていることはゆるぎない事実なのです。

 ITベンダー資格が今また動いている

数ある資格や認定制度の中で、特に人気が高いのはITベンダー資格です。資格取得者に奨励金を支給する企業も少なくありません。資格は、単に個人の能力の証明にとどまらず、その資格や認定を持っている従業員の数が、その企業の技術力や勢いを証明することにつながっています。

認定制度を運営するITベンダーにとっては、製品やサービスによるマーケットシェアを獲得すると同時に、自社の技術を深く理解した技術者によるマーケットシェアを獲得する重要な戦略として認定制度が位置づけられています。

この春、マイクロソフト社は、大規模な資格取得キャンペーンを展開すると同時に、試験問題にシミュレーションを導入し、より実践的なスキルを計る試験問題を準備しています。日本オラクルは、同社の認定資格制度オラクルマスターの取得者を対象としたセミナーやイベントを全国で展開しています。

今や企業等においてデファクトスタンダード(事実標準)となっているプログラミング言語に関するスキルを計る新たな認定資格制度が、日本を含む全世界でこの夏から展開されるとの情報も得ています。

今年は、日本ではIT資格がますます熱くなる予感がします。

このコラムでは、スキル、キャリア、資格試験、テスト工学などのキーワードを中心に、皆様にさまざまな情報をお伝えしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

小山 弘樹
アール・プロメトリック株式会社

※nikkeibp.jp events SPECIALより転載

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