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スキルアップコラム 2005
35歳から考えるキャリアデザイン・
キャリアプランニング(第1回)
ITの普及に伴う経済社会のグローバル化により、終身雇用が当然とされてきた日本企業が大きく変わりつつあります。企業間競争の激化、雇用形態の変化、個人の価値観の多様化などが進む昨今、企業が求めているのは「自立/自律」した人材。

自分がこれまで積み重ねてきたキャリアを見直し、今後の展望を考える──つまり「キャリア・デザイン」に注目が集まっています。もしかしたら今この時が、がむしゃらに頑張ってきた自分を振り返るいい機会なのかもしれません。

 「キャリア」の概念を見つめ直す

UFJ総合研究所 経済・社会政策部
主任研究員を務める大嶋淳俊氏
日本で「キャリア」というと、「給料が上がる」「昇進する」といった現象のことを指す場合が大半です。「キャリアアップ」という言葉も頻繁に使われますが、このような表現をするのは日本だけ、とUFJ総合研究所の大嶋淳俊さんは言います。

「そもそも『キャリア』とは、『道、轍』という意味。誰かと比較してどうこう考えるものではなく、あくまでも本人が主体であり、どれくらい意図・満足した状況に自分の身を置けるかということです。そういう意味では『アップ/ダウン』という言葉はそぐわないでしょう。」(大嶋さん)

キャリアとは、職業やスキルにまつわるものだけなく、自分の家族や健康など人生すべてにおけるエッセンスを含めた考え方なのです。

例えば、職務におけるノルマの達成、給与、社会的地位のほかにも、職場や家族との人間関係や自身の健康をも視野に入れたワーキングライフを築けるかどうかが鍵であり、そのために「デザイン(プランニング)」することが重要なのです。

「家を建てるのと同じですよ。しっかりしていて見栄えはいいけれども、基礎構造が脆かったとしたら、突発的な何かが起きたときに崩れてしまうでしょう。」(大嶋さん)

 「人生の棚卸し」と「キャリアの人間ドック」

キャリア・コンサルタントのほかにも、企画制作会社「オフィス・ウイル」とITコンサルタント「イーテス」の代表取締役を務める奥山睦氏
日々の業務に追われる中で、「自分はなぜ、現在の仕事をしているのか」「この会社で何を達成しようとしているのか」──といった自身のキャリアについて思いを巡らせる人は、実際そう多くありません。

「現在勤務している会社(または進学した学校)は『入社(入学)が可能であったから』選んだのであり、特別な目的意識を持っていたわけではない」という人もいるでしょう。しかし、キャリア・デザインを考えるのに遅すぎるということはありません。ライフステージが変わる時こそ、自分のキャリアについて考え直すいい機会です──と、キャリア・コンサルタントの奥山睦さんは語ります。

奥山さん自身、結婚や子育て、会社からの独立と自社の経営に悩んだ経験から、キャリア・カウンセリングの勉強を始めて資格を取得しました。「男性ならば30代後半の、家を買ったり扶養家族が増えたりする時期が、キャリアを見直すチャンスとも言えますね。人生それぞれの節目にどううまくキャリアチェンジしていけるか、『人間としての棚卸し』から出発しましょう」(奥山さん)

「人間としての棚卸し」とは、自分の資質を点検することです。自分はどんな環境にいるのか、これまでやってきた仕事や持っているスキル、財産、自分を取り巻く人間関係などを一度紙に書き出してみるのがお薦めとのこと。

状況を整理することにより、自分では気付いていなかった問題点が見つかったり、今後どうしていきたいかという方向性がスッキリするケースが多いためです。この際、「紙に書く」というのがポイント。奥山さんがキャリア・カウンセリングを行う際には必ず書いてもらっているとのことでした。

前述の大嶋さんは、同じことを「キャリアの人間ドック」と表現しています。ビジネススピードがめまぐるしい昨今、2、3年ごとの点検が好ましいと言います。

では、キャリアをどう点検し、デザインし直していけばいいのでしょうか。具体的な方法に関しては、次回以降のコラムで触れていくことにしましょう。

フリーライター/エディター
野田 幾子

※nikkeibp.jp events SPECIALより転載

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