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スキルアップコラム 2005
経済産業省が策定したスキルスタンダードに基づく新たな業務スキルとは?
NikkeiBP Events読者の皆さんは、IT(情報通信)の分野で既に「ITスキル標準(ITSS)」が策定され、ITサービス産業において広く活用されていることはご存知の方も多いかと思います。ITSSは平成14年に経済産業省が発表したスキル標準ですが、その経済産業省が他にもスキルスタンダードを策定していたのをご存知ですか?

今回はそのスキルスタンダードに基づいて作成された、新たな検定のご紹介です。

 ITSSならぬFASS

ITSSでは、職種を「コンサルタント」や「プロジェクトマネジメント」、「ITスペシャリスト」など11の職種に分類し、さらにそれを専門分野に分割、そして専門分野毎に7段階のレベルを規定するフレームワークを提供しています。マイクロソフトやオラクル、シスコなどのIT資格試験がどの分野のどのレベルに位置するかについてのマッピングは、ITSSユーザ協会などにより別途行われています。
一方、平成15年経済産業省は、経理・財務部門の業務手順(プロセス)および各業務に求められるスキルを機能別・網羅的に可視化する目的で、「経理・財務サービススキルスタンダード(FASS)」を策定しました。

FASSもスキルスタンダードを規定するフレームワークである点はITSSと同様ですが、大きく違う点があります。それは、既に実施されている各種認定資格試験をFASSにマッピングするのではなく、スキルを測定する検定試験そのものが提供される点です。

平成16年度に、日本CFO協会が高度専門人材育成事業として、普及促進の為の実証実験を展開し、経理・財務実務のスキルを客観的に測定する検定プログラムが開発されたのです。

 1000名を超える実務担当者が参加して行われた実証実験

実証実験は、平成16年度に日本CFO協会が、FASSをもとに個人の業務スキルの客観的な測定手法を確立する為の「経理・財務スキル検定プログラム開発プロジェクト」を受託したことから始まりました。プロジェクトメンバーとして、富士ゼロックス、カゴメ、伊藤忠商事など企業30社以上が参画しました。

プロジェクトでは、単に経理・財務に携わる人々に必要なスキルを問う問題を開発するのではなく、米国などで多くの実績がある試験開発手法(インストラクションデザイン)の考え方を導入し、試験問題が見極めたい能力を的確に測定しているかを統計的に判断するアプローチを行っています。また、問題のパターンによって難易度がぶれることなく測定できるよう開発を行っています。

このようにして開発された試験問題を使ったパイロット試験には、1000名を超える経理・財務の実務担当者が参加し、各個人の業務経験や業務に対する姿勢など、100項目にわたるデータと試験結果との関係を分析しました。

その結果、個人の経理・財務分野全般および各分野の実務スキルを測る上で、精度が高い試験であることが実証されました。

 経理・財務スキル検定の概要

検定試験は、経理・財務部門の定型的実務に従事されている方、またこれから経理・財務部門に従事しようとしている方を対象としています。

出題範囲は「経理・財務サービス・スキルスタンダード」のうち、定型業務として標準化された業務が対象となっています。

具体的には業務分野を「資産」、「決算」、「税務」および「資金」の4分野に分け、それぞれの分野の中で業務が定義されています。

分野 資産分野 決算分野 税務分野 資金分野
業務 売掛債権管理
買掛債務管理
在庫管理
固定資産管理
ソフトウェア管理
月次業績管理
単体決算業務
連結決算業務
外部開示業務
税効果計算業務
消費税申告業務
法人税申告業務
連結納税申告業務
税務調査対応
現金出納管理
手形管理
有価証券管理
債務保証管理
貸付金管理
借入金管理
社債管理
デリバティブ取引管理
外貨建取引管理
資金管理

試験はコンピュータを使った択一問題の形式で実施されます。所要時間は90分(事前説明、アンケート等を含み最大110分)で、試験結果は合否ではなくA〜Eの5段階のレベルでスキル評価されます。

レベル スコア 評 価
A 689点〜 経理・財務分野について、業務全体を正確に理解し、自信をもって経理・財務部門の業務を遂行できるスキルをもっている。
B 688点〜641点 経理・財務分野のほとんどの業務を理解し、業務を遂行できるスキルをもっている。分野によって、知識の正確さに個人差があるものの、業務を妨げるようなことはなく、適切に対応できるスキルをもっている。
C 640点〜561点 経理・財務分野について、日常の業務を行うための基本的なスキルが身についているが、自己の経験以外の業務への対応力について差が見られる。日常の業務であれば、業務を理解して、支障なく対応できるスキルをもっている。
D 560点〜441点 分野によって、知識の正確性に差があり、不十分な部分が多いが、支援を受けながら、最低限の業務を行うスキルをもっている。
E 〜440点 経理・財務分野について、部分的にしか理解できていない。今後の努力を期待する。
  • 受験予約申込:Webから申し込み可能 アール・プロメトリックFASS試験予約
  • 受験料:一般 10,500円(税込)/ 法人会員 8,400円(税込)
    ※バウチャーチケット購入による数量割引が別途あります。
  • 受験場所:全国のアール・プロメトリック テストセンター
  • 検定制度の詳細およびお問い合わせ
    日本CFO協会FASS運営委員会
    TEL 03-3556-2334
※試験実施期間・申込受付締切りはこちらにてご確認ください。

第1回目の試験には、平成16年に実証実験プロジェクトに参加した企業はもとより、大日本インキ化学工業、日立ハイテクノロジーズ、武田薬品工業など多くの企業より受験表明が出されています。FASSはまさにスキルスタンダードとして名実共に期待とその普及が急速に高まることは必至のようです。

小山 弘樹
アール・プロメトリック株式会社

※nikkeibp.jp events SPECIALより転載

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