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Mac OS Xを仕事に活かすには

 Macのスキルを仕事に活かそう

前回お話しした通り、MacをUNIXベースのOSとして捉えると、美しく使いやすいGUIを使いつつ、ネットワークやサーバーのスキルを高めることができると思います。もうすでにWindowsからMacに乗り換えたエンジニアの友人が私のまわりにも沢山います。

ちょうどこの原稿を書いている前の日には、パワフルなIntel Core Duoを搭載しつつ、コンパクトな13インチワイド液晶、10万円台の低価格を実現した「MacBook」が発表されました。IntelのCPUを搭載していることで、「BootCamp」というアップルが提供するソフトウエアを使えば、Mac OS XとWindows XPをデュアルブートすることができます。さらにはさまざまな仮想マシン環境も開発が進められていますので、必要な場合にはWindowsやLinuxを使うということも現実的になってきています。

このように、エンジニア個人のツールとしてMacを使うことのメリットは十分お話ししましたので、さらに推し進めてMacエンジニアとしてのスキルを仕事に役立てることを考えてみたいと思います。

 急速に普及しつつあるMacシステム

少し原理原則のところからお話をします。我々がコンピュータを使う時、ある特定の目的に使う場合と、目的が定まらずあれこれやりたいという場合があります。

前者の場合、目的が満たされるソフトウエアが十分であればOKということになりますが、後者の場合ソフトウエアの選択肢が多い方が有利です。つまり、前者は比較的OSを選びませんが、後者の場合には対応ソフトの多いWindowsが有利なのが現在の状況です。

ただし、最近はコンピュータの利用者がより一段と拡大したことで、前者のケースが増えてきました。特に企業や学校など、多くの人が集まるところでの情報コミュニケーション端末としての使い方です。Webブラウザーやメールクライアントが動作すればよい、という使い方ではむしろ、利用者があやしげなソフトウエアをあれこれ勝手にインストールしては困る、ということが多いのは皆さんご承知の通りです。

現在、このような分野、特に学校などにおいては急速にMacを使ったシステムが導入されるようになってきており、実際にシステムを構築するエンジニアが足りないという事態も起きているようです。

 Macのスキルを客観的に証明する資格試験

そのような状況を反映して、2005年3月からMac OS Xの提供元であるアップルコンピュータがITプロフェッショナル向けのトレーニングと資格認定試験を開始しました。

スキルは大きく3つに分かれています。1つはクライアント利用者のトラブルを解決するなど、クライアント寄りのスキルを持つ「Apple認定ヘルプデスクスペシャリスト(ACHDS)」。もう1つがサーバーの基本的なスキルを身につけた「Apple認定テクニカルコーディネータ(ACTC)」。さらに上位のスキルとなる「アップル認定システムコーディネータ(ACSA)」という認定があります。

試験の詳細についてはWebサイトで詳しく解説されていますが、前述したようなMacを使ったシステムの構築を行いたいのであれば、サーバーの基本的なスキルまでカバーした「Apple認定テクニカルコーディネータ(ACTC)」の資格認定試験に合格しておきたいところです。

アップル技術者認定資格

では、合格するためにはどのような勉強をするとよいでしょうか。

 試験合格のための勉強法

●Mac OS X Serverを入手する

サーバーの知識も問われる「Apple認定テクニカルコーディネータ(ACTC)」合格を目指すのであれば、Mac OS X Serverが必要になります。仕事でMac OS X Serverが使えるのであれば問題ありませんが、そうでなければライセンスを入手しなくてはなりません。思い切って購入するというのも一つの手ですが、Macのスキルで食べていきたいと思っているのであれば「Apple Developer Connection(ADC)」というプログラムに加入することをお薦めします。

ADCは、Macの開発者向けの情報提供プログラムですが、加入することでMac OS XおよびMac OS X Serverの最新版などさまざまなソフトウエアと技術情報、ハードウエアの優待割引購入などが提供されています。年会費としてSelectメンバーの場合$500がかかりますが、OSのライセンス料と優待割引、さらにソフトウエアダウンロードの権利が5アカウントまで付与されます。意外と知られていないADCですが、加入してみてはどうでしょうか?

Apple Developer Connection

●書籍で勉強する

ある程度は自分で勉強できるという人には、自習できるコース書籍が用意されているので、そちらを購入して勉強することをお薦めします。現在、以下の2冊が提供されています。


「システム管理者のための Mac OS X Support Essentials」


「システム管理者のためのMac OS X Server Essentials」


また、「Apple認定ヘルプデスクスペシャリスト(ACHDS)」を受験する人向けには、解説+模擬試験が載っている「アップル認定 ヘルプデスクスペシャリスト ガイドブック」もお薦めします。


「アップル認定 ヘルプデスクスペシャリスト ガイドブック」



その他にもMacの解説本はたくさん出版されているので、適宜参考にするとよいでしょう。

●トレーニングコースに参加する

自習は苦手という人は、アップル認定のトレーニングコースに参加してみてはどうでしょうか?それぞれの試験に対応したコースが用意されており、解説と実機を使ったハンズオン実習でスキルを習得することができます。

コースを受講する時のポイントですが、事前にある程度自分で実機に触れておくことです。コースはある程度実機に触れた経験があるということを前提に講義と実習が進んでいきますので、まったくの初めてとなるとコースの進行についていけない可能性があります。そういう意味でも、前に紹介した2つの勉強法をある程度実践した上で参加するのが最も効率的かもしれません。

 試験に合格しよう

最後に試験を受験する際のお話をしておきましょう。
試験は、47都道府県にあるアール・プロメトリックのテストセンターで毎日受験することが可能です。試験の出題方法ですが、基本的に選択式です。択一と多肢選択がありますが、多肢選択でもいくつ選べばよいか教えてもらえるので安心です。

出題は出題項目に応じて何問程度出題されるか決められているので、出題数の多い項目を中心に勉強しておくのがセオリーとなるでしょう。ただ、出題数が少ない項目でも、しっかりと重要なポイントを理解して落とさないようにすれば、それほど合格は難しくないでしょう。また、Macそのものの知識だけでなく、コンピュータ・ネットワーク一般の知識があれば解ける問題もあります。

無事に試験に合格すると、認定証が送られてくると共に、名刺などにお洒落なリンゴマークの認定技術者ロゴを入れられるようになります。これが意外と名刺交換した時に聞かれたり、話題になることも多いと感じます。ぜひ、みなさんも認定目指してがんばってください。

認定証写真

宮原 徹(みやはら とおる)
株式会社びぎねっと 代表取締役社長兼CEO
http://begi.net/

<プロフィール>
日本オラクルでフィールドマーケティングに従事していた際にLinuxやオープンソースの魅力と可能性に気付き、普及活動を始める。2001年に、びぎねっとを設立。技術者教育を中心に精力的に活動している。雑誌、書籍の執筆多数。近刊に「シェルスクリプト ポケットリファレンス bash編」(技術評論社)がある。
※nikkeibp.jp events SPECIALより転載

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