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あなたはどんなエンジニアになりたいですか?
〜組込みシステム技術者の息の長いキャリアに注目してみよう〜

データベースエンジニア、ネットワークエンジニアなど、世の中にはさまざまな「エンジニア」が存在します。読者の皆様にも「XXエンジニア」という方が多くいらっしゃると思います。その中でも今回は、ほとんどの家電やAV機器、携帯電話に使われている「組込みシステム」を扱う「組込みエンジニア」の紹介をします。

組込みシステム技術者とは?

昨今、情報家電に代表される組込みシステム搭載の機器がいたるところにあります。テレビ、DVDプレーヤーなどの家電製品、携帯電話、ゲーム機器、カーナビなどです。自動車、エレベータ、飛行機、ロケットなどにも組込みシステムは搭載されています。

携帯電話を例に取ると、通話、音楽、カメラ、テレビなどたくさんの便利な機能が備わっていて、最近はお財布としての機能が備わっているものもあります。美しいフォルムの携帯電話に隠れていますが、中には組込みシステムが存在します。そういった製品を設計・開発・製造している技術者こそ、組込みシステム技術者です。

組込みシステム技術者が今なぜ注目を集めているのでしょうか?

組込みシステム技術者が不足している!

組込みシステムは「ものづくり」を通じてノウハウ、技術力を養える魅力ある分野にも関わらず、人材不足が深刻化しています。新聞やテレビでも度々取り上げられているので、ご存知の方もいらっしゃると思います。

経済産業省が発表した「2006年版組込みソフトウェア産業実態調査報告書」では、20万人の組込み技術者が従事していて、9万4000人が足りないという統計が出ています。足りない分は海外への依頼で対応しています。市場では人材が実際に足りていないのです。



出典:スキルプロファイルで見えたプロジェクトパフォーマンス
〜2006年版組込みソフトウェア産業実態調査より〜

なぜ組込みシステム技術者が足りないのか?

もともと組込みシステムはエンタープライズ系と違い、製品に組込んで使うハードウェアとソフトウェアからなります。製品は企業の英知の結集であり、外部に仕様を公開することができません。ですから人材育成・教育に関しても社内で行うほかありませんでした。たくさんの技術者を輩出するという仕組み自体がなかったのです。技術が進歩し市場自体も大きくなったことにより、その担い手である技術者は確実に不足しています。

組込みシステム技術者に必要なものとは?

最近、組込み人材育成の観点で企業からお話を伺うことが多くあり、多くの方が以下のポイントを上げられます。

  • 組込み技術には幅広い知識が必要
  • 技術流動があり、スキル習得が容易ではない
  • コミュニケーション能力がより重要

どれも重要な課題ですが共通項があります。それは「知識」ということです。コミュニケーションも技術(知識とスキル)の上に成り立っています。技術は変化していくのが当たり前の業界ですので、常に学習し、習得することが必要です。

組込みは扱う製品、部品、アーキテクチャなどによってさまざまな技術が必要となりますので、幅広い知識が必要になります。そのため、経済産業省は2005年に、組込みスキル標準を制定し、組込み技術者のスキルを明確化・体系化しています。

組込み業界団体である組込みシステム技術協会(JASA)では、JASA組込みソフトウェア技術者試験(ETEC)を開始しました。

組込み技術者の指標となる試験制度

ETEC

組込みシステム技術協会(JASA)は、2006年11月より、JASA組込みソフトウェア技術者試験を、コンピュータを利用した試験(CBT)により開始しました。

もともと組込み技術者向けの試験は市場にほとんどありませんでした。ましてや昨今の開発の鍵を握る組込みソフトウェア技術者向けは皆無でした。組込みシステム業に従事する多くの技術者が抱える問題として、自己評価、既存スキルの熟練度などを計る指標がなかったことから、同試験を開発しました。2006年秋に組込みソフトウェア技術者試験クラス2(クラス2試験)をリリースし、2007年秋には組込みソフトウェア技術者試験クラス1をスタートする予定です。

クラス2試験は組込みソフトウェア技術者が最低限持っていてほしい知識・技術を出題しています。採点は800点満点のスコア方式(得点)を採用しました。英語のTOEICに近い形です。合格目的でなく常に学習する意欲を引き出すことを目的とし、技術者としてより高みを目指していただきたいと思っています。JASAでは800点を3つのグレードA、B、Cに分類し、Cは用件不十分であるとし、A、Bを目指してもらっています。また技術要素、開発技術、管理技術の三つの分野もそれぞれA、B、Cの評価を提示しますので、各自の強み・弱みを発見できることになります。

組込みソフトウェア技術者試験には以下のようなメリットがあります。

◆技術者へのメリット

  • 技術者・開発者の知識レベルを自己評価できる
  • 学習の効果を確認できる
  • 公平公正な評価として外部組織などに提示できる
  • 証明取得により技術者マインドと自信をつけることができる

◆企業へのメリット

  • 人的資産のアピールができる
  • 技術者採用の資料とすることができる
  • 共通指標によるチーム編成の資料となる
  • 技術者研修の成果として使用できる
  • 上下間のコミュニケーションギャップが解消できる
クラス2試験証明書

(クラス2試験証明書)

詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://etec.jasa.or.jp/

組込みシステム技術者を目指してみませんか?

今後も組込みシステムは生活に欠かすことのできない製品により高機能な性能で搭載されていくでしょう。規模が大きくなることはあっても、小さくなることは当分ないと思われます。組込みシステム技術者は、技術革新の中で新サービスの提供を創造する息の長いキャリア形成が可能です。

エンジニアの皆様には、ぜひ組込みシステムに目を向けていただきたいと思います。世界に誇る日本の組込み技術、その担い手を育成・支援していく仕組みもいろいろな形でできつつあります。あなたも、組込み技術者にトライしてみませんか?

書籍プレゼントのお知らせ

これから組込みシステム開発者を目指そうとする技術者や、組込みシステムの技術を学ぼうとする方に組込みシステム開発に必要となる基本的な技術を豊富な挿絵と事例を交えて分かりやすく解説している書籍をプレゼントします。巻末には「JASA組込みソフトウェア技術者試験エントリレベル」対応の演習問題付きです。

※上記プレゼントは終了いたしました。

組込みシステム技術協会 ETEC運営事務局
サートプロ代表取締役
http://www.certpro.jp
近森 満(ちかもりみつる)

<プロフィール>
大手電気メーカー、外資系IT教育ベンダーなどを経て、2006年より組込みシステム分野の人材育成・教育支援を行うサートプロを設立し、現在はJASA試験の普及・啓蒙活動を行っている。
※nikkeibp.jp events SPECIALより転載

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