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企業の選考を突破する方法 後編:セミナー・面接を突破する

前回(1月25日)に引き続き、転職を考えている個人に対して、「企業の選考を突破する方法」と題して具体的なお話をしたいと思います。前回は、「書類審査を突破する」という内容でしたが、今回は、「セミナー・面接を突破する」ことについてお話してみたいと思います。

転職フェアや採用セミナーは事実上の面接と同じ

近年、中途採用でも転職フェアや採用セミナーが増えています。企業がこれらを利用するのは、多くの場合、応募者をより多く集めて、自社への応募を喚起することが目的です。しかし同時に、人事担当者や現場の責任者が応募者予備軍と会う以上、事実上の面接と同じ役目を果たしていることを忘れてはいけません。

面接官も現場責任者も、究極的にはビジネスに貢献してくれる人を採用するのが目的ですから、応募者予備軍や応募者とのすべての接点を通じて、良い人材を見抜き、その人がまだ応募の段階に至っていなければ、積極的に応募を喚起したりしようと考えます。

これは、転職フェアや採用セミナーの受付での態度や、その後の質問内容、あるいは面接時において面接場所まで案内してくれる担当者とのやり取り、面接後エレベーターホールでの面接官との何気ないやり取りなど、企業と応募者とのすべての接点が当てはまります。

転職フェアや採用セミナー、その後の個別質問会などで、面接官や現場責任者などが参加者から回収したアンケート用紙の端に記号で評価を書き入れたり、通常の面接で面接官が面接に入る前にその応募者を部屋に通したりした担当者に、「どんな印象だった?」と聞いて参考にするのは、面接官にとって当たり前の行為です。

面接では過去の行動をもとに評価される

実際の面接についてですが、最近の面接手法としては、応募者の過去の行動を基にその応募者を評価しようという手法が主流になりつつあります。これはその応募者が過去のある時点で実際にとった行動に焦点を当てながら質問するもので、「その応募者が、どういう組織や環境のもとで、どういったプレッシャーを受けながら、どういう行動を取り、どういう結果を出したのか」を知ることで、「ああ、それなら自社のこの仕事環境でも高い実績を上げてくれるだろう」という推測をして合否を判断する手法です。

この面接手法では、応募者がその当時に取った行動に的を絞り、その当時の出来事や情景を面接官が自分の頭の中にも思い浮かべられる程度まで、「何をしたのか」や「なぜそうしたのか」を繰り返し深く突っ込んで質問していくのですが、優秀な応募者は一般に過去の実績や体験についても詳細、かつ正確に覚えているという特徴が見られます。

こういったことから考えると、このような面接に対抗するためには、応募者は今までの職務経験をただ全体的に説明するだけではなく、面接官に求められた部分の仕事の実績に関して、その当時の出来事や周囲の環境、自分の行動を詳細かつ具体的に話せるように準備しておくことが重要です。

面接官がどの部分について深く突っ込んで聞いてくるかと言えば、「入社した後に担当してもらう業務内容に近い体験」や「成功体験」が中心です。そのため、面接を受ける求人ポジションの業務内容に近い体験は特に詳細に話せるようにしておく必要があります。

企業がなぜ応募者の過去に取った行動を深く突っ込んで聞くようになったかと言えば、もともと転職活動では、応募者は「合格したい」「よく見せたい」という気持ちがあり、それらが面接官から見ると壁となってしまう一方、企業は「ビジネスに貢献してくれる人を採りたい」という思いがありますから、「実際にどういう環境で、どういう方法で実績を上げてきたのか」に的を絞り、深く突っ込んで聞くことによって、応募者が作った壁を乗り越えその応募者の本当の姿を知りたいと考えるようになったためです。

自分の仕事経験の中からいくつかを選んで詳細に具体的な話をできるように準備しておくことは、実際にそういった形で面接が進まない場合でも、例えば、「一番大きな実績といえば何ですか」というようなよくある質問にも対応できますし、何よりも、「ビジネスにどう貢献してくれるのだろう」という面接官の疑問に、事例を持ちながら具体的に答えることに役立ちます。

面接官がこういった面接手法を知っていてもいなくても、また面接スキルが高くても低くても、面接官が自分の合否を握っていることには違いがありません。ですから、たとえその面接官が上手く聞き出してくれなくても、自分から「入社後にどうビジネスに貢献できるか」を伝えることは大切です。それを説得力をもって伝えるには、自分が過去に行った行動を例に出しながら話すのが一番だと言えます。

タイミングも大事

それから忘れて欲しくないことに、タイミングという問題があります。主に即戦力を前提とした中途採用では、数名の採用が決まり採用枠が埋まってしまえば、その翌日により優秀な候補者の応募があっても不合格にするのが一般的です。つまり、タイミングが合わなければたとえ優秀な人材でも不合格になるということです。ですから、ぜひある企業で不合格になったとしても、時期を見て何度でもチャレンジする気持ちを持ってほしいと思います。

攻めの転職活動

「守りの転職活動」と「攻めの転職活動」があるとすれば、守りの転職活動とは、一種類の履歴書、職務経歴書を作って転職支援サイトでスカウトを待ったり、人材紹介会社に登録して紹介を待ち、実際の面接においても聞かれたことに答えるだけの転職活動と言えるでしょう。

一方で攻めの転職活動とは、転職支援サイトや人材紹介会社を利用してもしなくても、希望する企業に合わせた履歴書、職務経歴書を作成し、面接においても「自分がどうビジネスに貢献できるのか」を相手に分からせる努力をする、あるいは今回は取り上げていませんが、求人のないポジションでも自分から売り込みを行うといったことになるのでしょう。

ぜひ、「攻めの転職活動」を心がけて、思い通りの転職を実現されることをお祈りしています。

牛久保 潔(うしくぼ きよし)
株式会社プロッソ 代表取締役社長
http://www.prosso.com/

<プロフィール>
日本DEC(現、日本ヒューレット・パッカード)、日本オラクルを経て、2003年、中途採用に特化したコンサルティングと人材紹介を行うプロッソを設立。以来、大手・中堅企業を中心に、実践的なサービスを提供。中途採用力UPメールマガジンやセミナーを実施中。
※nikkeibp.jp events SPECIALより転載

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