実際の面接についてですが、最近の面接手法としては、応募者の過去の行動を基にその応募者を評価しようという手法が主流になりつつあります。これはその応募者が過去のある時点で実際にとった行動に焦点を当てながら質問するもので、「その応募者が、どういう組織や環境のもとで、どういったプレッシャーを受けながら、どういう行動を取り、どういう結果を出したのか」を知ることで、「ああ、それなら自社のこの仕事環境でも高い実績を上げてくれるだろう」という推測をして合否を判断する手法です。
この面接手法では、応募者がその当時に取った行動に的を絞り、その当時の出来事や情景を面接官が自分の頭の中にも思い浮かべられる程度まで、「何をしたのか」や「なぜそうしたのか」を繰り返し深く突っ込んで質問していくのですが、優秀な応募者は一般に過去の実績や体験についても詳細、かつ正確に覚えているという特徴が見られます。
こういったことから考えると、このような面接に対抗するためには、応募者は今までの職務経験をただ全体的に説明するだけではなく、面接官に求められた部分の仕事の実績に関して、その当時の出来事や周囲の環境、自分の行動を詳細かつ具体的に話せるように準備しておくことが重要です。
面接官がどの部分について深く突っ込んで聞いてくるかと言えば、「入社した後に担当してもらう業務内容に近い体験」や「成功体験」が中心です。そのため、面接を受ける求人ポジションの業務内容に近い体験は特に詳細に話せるようにしておく必要があります。
企業がなぜ応募者の過去に取った行動を深く突っ込んで聞くようになったかと言えば、もともと転職活動では、応募者は「合格したい」「よく見せたい」という気持ちがあり、それらが面接官から見ると壁となってしまう一方、企業は「ビジネスに貢献してくれる人を採りたい」という思いがありますから、「実際にどういう環境で、どういう方法で実績を上げてきたのか」に的を絞り、深く突っ込んで聞くことによって、応募者が作った壁を乗り越えその応募者の本当の姿を知りたいと考えるようになったためです。
自分の仕事経験の中からいくつかを選んで詳細に具体的な話をできるように準備しておくことは、実際にそういった形で面接が進まない場合でも、例えば、「一番大きな実績といえば何ですか」というようなよくある質問にも対応できますし、何よりも、「ビジネスにどう貢献してくれるのだろう」という面接官の疑問に、事例を持ちながら具体的に答えることに役立ちます。
面接官がこういった面接手法を知っていてもいなくても、また面接スキルが高くても低くても、面接官が自分の合否を握っていることには違いがありません。ですから、たとえその面接官が上手く聞き出してくれなくても、自分から「入社後にどうビジネスに貢献できるか」を伝えることは大切です。それを説得力をもって伝えるには、自分が過去に行った行動を例に出しながら話すのが一番だと言えます。