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経理・財務スキル検定(FASS)受験者増加の背景にあるものとは

当コラムでは、今まで「経済産業省が策定したスキルスタンダードに基づく新たな業務スキルとは?」「高得点ほど高収入な資格とは?」で経理・財務スキル検定(FASS)の紹介を行ってきました。そのFASSが最近、順調に受験者を伸ばしています。その背景にはさまざまなニーズが隠されているようです。

FASS=経理・財務分野における実務知識の測定ツール

FASSは、日本CFO協会が実施・運営している経理・財務の基礎的な実務知識を客観的に測定するための試験です。試験は毎年上期と下期にそれぞれ1カ月間実施されますが、2005年下期の第1回検定以来、2007年上期までに4回の検定が実施され、2007年下期(第5回)検定は11月15日〜12月14日の間実施されました。

第1回から第4回までの受験者総数は、7533人。2007年11月〜12月実施の第5回検定の受験者は、申し込みベースですでに過去最高を更新しました。最終的には3,985名の方が受験されました。

FASSを「仕事」として受験

FASSを実際に受験しているのはどのような人なのでしょうか。

第4回検定までの受験者データによれば、FASS受験者の90%以上は、経理または財務の第一線で活躍する実務家であり、そのうちの過半数は実務経験8年以上のベテラン社員で占められています。役職で見ると約6割が一般社員で、これに課長・係長を加えると全体の9割に達します。

FASS受験者の大半は、受験料を会社に払ってもらっています。と言うよりも会社が受験料を払って社員を受験させていると言った方が正確かもしれません。つまり受験者の大半は、FASSを「仕事」として受けているのです。

FASSを受験する3つの理由

彼らがFASSを受験する理由を考えてみましょう。

FASSの受験が仕事である以上、何らかの業務上の目的が伴うわけですから、それがFASSを受験する理由ということになります。

○理由その1:スキルを客観的に測定したい

経理・財務スキルの習得には知識の蓄積が必要です。さらに「蓄積した知識」は、どの会社でも共通で使える、正しいプロセスであることも重要です。経理・財務要員が習得した知識を客観的に測定したい、というニーズを満たすためにFASSが使われているのです。この場合、各受験者のFASSスコアは、経理部門の人事担当者によって、経理・財務要員のスキルアップおよびジョブローテーション上の参考資料として利用されます。

○理由その2:実務で経験できない業務知識を補いたい

経理・財務要員のキャリアパスとして、国内子会社・関連会社や海外現地法人に経理・財務の責任者として出向するケースがあります。ところが一定期間、例えば管理職昇格までの期間に資産・決算・税務・資金の4分野をすべて経験させることは、ジョブローテーション上かなり難しいのが多くの企業の現状であり、人事担当者の悩みの種でもあります。したがって、実務でスキルを身につける機会がないのなら、経験できない分野の業務知識をFASSによって身につけさせたい、というニーズにつながるわけです。

○理由その3:日本版SOX法対策に使用したい

「財務報告に係る内部統制」(いわゆる日本版SOX法)整備の一環として、経理要員のスキルを客観的に測定する必要が生じています。その際、監査法人などから関連データの提出を要求されるケースが増えている、との話を日本CFO協会の会員企業の皆様からよく聞きます。このような場合、有効なデータとして認めてもらいやすいのがFASSスコアだというのです。 以上のような理由が、FASS受験者の増加傾向を説明する主な要素と考えられます。日本CFO協会では、このような傾向は今後もしばらく続くものと見込んでいます。

FASSの試験情報

FASSの試験は、全国にある試験会場でコンピュータでの受験となります。

受験申込から試験実施まで、プロメトリックが運営を行っています。

試験結果は合否ではなく、総合点から5段階のレベルでスキル評価し、分野毎の達成度合いも表示されるので、どの分野の知識が不足しているかを客観的に確認することができます。

FASSを学ぶためには、日本CFO協会が発行している学習ガイド(問題集)のほか、各社が提供する認定講座があります。詳しい情報をお知りになりたい方は、日本CFO協会のサイトをご覧ください。

日本CFO協会
寺ア 徹哉


※nikkeibp.jp events SPECIALより転載
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