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PMP資格取得が注目されている理由と今後の課題

前回のコラムでは、PMP受験申請の流れをご紹介しました。今回は、PMI東京支部会長・瀬尾氏より、PMP資格取得が注目されている理由と今後の課題を紹介していただきます。

資格取得者が毎年50%以上増加

グローバルなプロジェクトマネジメント団体であるPMI(Project Management Institute)によるプロジェクトマネジャー認定制度PMP(Project Management Professional)の日本における資格取得者が急速に拡大しています(図参照)。

この数年、PMP資格取得者は毎年50%以上増加しており、2006年末には、日本でのPMP資格取得者がついに1万8000名を超えました。全世界でのPMP資格取得者数が22万人ですので、世界全体の8%です。この割合はまだ少ないですが、日本での取得者増加の傾向は当分続きそうです。

PMP取得者数の推移

知識+経験が必要

PMP資格はPMIによって認定されますが、資格取得のためには、実務経験に加えて、4時間、200問に及ぶコンピュータでの試験に合格することが必要となります。さらに、一度の資格取得で永久に資格が保持できるのではなく、3年で期限切れとなります。

これは進化の激しい世界でプロジェクトマネジャーとしての力を維持していくために必要なことです。PMP保持者は、一定量のプロジェクトマネジメント実践経験や研修受講を積み重ねないと資格を保持できないのです。

PMPが注目される3つの理由

PMP資格取得がなぜ、今このように脚光を浴びているのかを探っていくと、次のような背景が浮かんできます。

1.プロジェクトマネジメントの重要性に対する認知度の急速な増大

第一に挙げられる理由は、なんと言ってもプロジェクトマネジメントの重要性に対する認知度の急速な増大です。現在、企業が生き延びていくためには、常に環境変化に対応する努力が求められています。同じことを同じように行っていたのでは、ビジネスの世界で生き残っていくのは至難の業です。

すなわち、プロジェクトの実行によりイノベーションを実現しているともいえるでしょう。多くの先進的IT企業ではプロジェクトマネジメント力を自社のコアコンピテンシーに位置付け、優秀なプロジェクトマネジャーの育成に力を入れています。


PMBOKガイド

2.プロジェクトマネジメントが資格として認知される基盤が整備

第二に、プロジェクトマネジメントの知識体系が整備され、プロジェクトマネジメントが資格として認知される理論的な基盤が整備されたことがあげられます。PMIが発行するプロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOK(PMBOKガイド:プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)が日本語はもとより、全世界で9カ国に翻訳され、出版部数もすでに200万部を超えています。

 


3.PMP資格取得を会社施策として推進

第三には、技術進歩と競争の激しいIT業界において、プロジェクトマネジメントの価値が認識され、どの企業も生き残りをかけてプロジェクトマネジメント力の強化に努め、PMP資格取得を会社施策として推進していることがあげられます。これらの企業では単に社員にPMP資格を取得させるだけではなく、会社全体をプロジェクトマネジメントカルチャーへ変革していく取組みを行っています。

日本におけるプロジェクトマネジメントの解決すべき課題

プロジェクトマネジメントの重要性が認知され、多くのPMP資格取得者を輩出する環境となりましたが、手放しで喜んでいるわけにはいきません。日本におけるプロジェクトマネジメントを見ると、まだまだ多くの解決すべき課題を抱えているのです。


1.企業内でのプロジェクトマネジメントの職種の確立と処遇の改善

限られた資源と期間で、多くのプロジェクトマネジャーが日夜努力していますが、彼らの多くはその努力と成果に報いるだけの処遇を受けていない場合があります。

プロジェクトマネジメントが3Kなどと呼ばれ、敬遠されるようではイノベーションの実現はおぼつかなくなります。多くの社員がプロジェクトマネジャーを将来希望する職種にあげるよう、職種の確立と処遇の改善を行う必要があります。


2.IT、建設、エンジニアリング以外の産業での認識向上

IT、建設、エンジニアリング以外の産業における、プロジェクトマネジメントの重要性の認識も課題としてあげられます。金融業、製造・流通業などでも、経営者はもっとプロジェクトマネジメントに真正面から取り組む必要性を感じています。


3.地方への展開

事業の首都圏集中はプロジェクトマネジメントに限られたことではありませんが、PMP資格取得者の85%が首都圏に集中しているという実態は、GDPの地域分布と比較してもあまりに極端です。地方自治体や地域での活躍企業に対しても、あらためてプロジェクトマネジメントへの取組みを啓蒙したいところです。

 

今回は「PMP資格取得が注目されている理由と今後の課題」についてご案内しましたが、いかがでしたでしょうか。近年、プロジェクトマネジメントに関する知識、理解度の向上に比例して、PMP取得への関心はより高まっています。海外では、同資格の保有がプロジェクト受注の要件になるケースもあるそうです。スキルアップコラムをお読みになっている皆様も、ぜひ一度取得を検討されてみてはいかがでしょうか。

PMI東京支部会長・瀬尾 恵
http://www.PMI-tokyo.org/

※nikkeibp.jp events SPECIALより転載
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