プロジェクトマネジメントに熱心な企業には、いくつかの共通点があります。
1.トップマネジメントのイニシアティブ
第一はトップマネジメントのイニシアティブです。現実問題として、プロジェクトマネジメント力の向上はそんなに簡単なものではありませんし、PMP資格の取得は企業努力の一部の表れにしかすぎません。
すべての企業が例外なく、失敗プロジェクト経験を持つといって過言ではありません。失敗プロジェクトに対し、通常いずれのケースにおいても「反省と対策」が取られますが、プロジェクトマネジメントに熱心な企業は、トップマネジメント自らが先頭に立って強化策の推進にあたっています。
失敗プロジェクトの原因は、どのプロジェクトでも「なぜもっと早く実態が把握できなかったのか」、「プロジェクト計画書の品質はレビューされたのか」、「受注時の入り口管理は的確であったのか」など、ほぼ共通です。
これらの課題をさらに分析すると、実に多くの分野で改善が必要になることに気がつきます。「財務・管理会計の仕組みの改訂」、「事業遂行組織の大幅変更」、「品質管理プロセスの変更」、「人材・スキル管理体系の作り直し」、はては、「売上計上基準の変更」にいたるまで、事業の根幹をなす重要プロセス、ルールの変更にまで対策が必要になります。トップマネジメントがイニシアティブをとらないかぎり、これらの企業プロセスの根幹にメスを入れることはできないのです。
2.プロジェクトマネジメントオフィスの組成
第二はプロジェクトマネジメントオフィス(以下、PMO)の組成です。PMI東京支部法人スポンサー企業調査によると、昨年末ですでに50%の企業がPMOを設置済みで、PMO設置の検討企業を含めると70%までにも及びます。また、同調査結果にみるPMOに求める役割のトップ5には、以下のような項目があげられています。
◆ プロジェクトマネジメントプロセスの整備と維持
◆ プロジェクトの状況把握と経営への報告
◆ プロジェクトマネジャの育成
◆ 重点プロジェクトの支援
◆ プロジェクトマネジメントシステムの導入と維持
3.PMP資格取得の推進によるプロジェクトマネジャ個々人のレベルアップ
第三はPMP資格取得の推進によるプロジェクトマネジャ個々人のレベルアップです。前述の三菱総合研究所にお聞きすると、
「当社ではPMP資格取得促進のみならず、現場のプロジェクトマネジャ向けにリスク・採算管理から品質管理に至る強力な支援体制をしいています。」(長阪匡介三菱総合研究所執行役員プロジェクトマネジメントセンター長)
「PMP資格取得者が、常にプロジェクトマネジメント知識を最新にし、継続的スキル向上が図れるよう、メンタープログラムを実施しています。」(菅原章文三菱総合研究所グループリーダー)など、全社的な取り組みがうかがえます。
上記のような各産業界におけるプロジェクトマネジメントへの取り組み、PMP取得者数が増加している状況に応じて、PMI東京支部では、すべての組織、企業、中央官庁、地方公共団体がプロジェクトマネジメントに対し、より積極的・効果的に取り組めるよう、積極的に支援していきたいと思っています。
PMO統計出典:PMI東京支部ステークホルダー委員会報告書
<プロフィール>
日本IBMにてサービス事業に従事の後、現在、三菱総合研究所にてソリューション事業を担当。PMI東京支部会長としてプロジェクトマネジメントの実践普及に尽力。
※nikkeibp.jp events SPECIALより転載
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