コンピュータを利用した試験への最適な移行提案:米国会計業界の事例

背景

米国公認会計士協会(AICPA)と全米州政府会計委員会(NASBA)、各州管轄区域は、1917年から連携して会計業界のニーズに応えてきました。AICPAとは、米国公認会計士(USCPA)の全国的な専門団体です。米国公認会計士試験の役割は、受験者がその最終的な責務(第三者的な立場から事業報告書を作成し、国民の経済的利害関係を守ること)を果たすうえで必要な知識とスキルを有しているか否かを明らかにすることです。

試験合格が米国各州の公認会計士審査会からの免許交付の要件とされているため、毎年11万人を超える受験者がこの試験に臨みます。米国公認会計士の資格は会計士としての能力を備えていることを保証するものであり、世界で最も高く評価されている資格の1つでもあります。

33万人の会員を擁するAICPAは、米国民間監査基準および会計業界の倫理基準を定めています。NASBAは、アメリカ本土、コロンビア特別区、グアム、プエルトリコ、バージン諸島に54ある会計委員会のフォーラムとして機能しています。会計業界の「門番」として、これら会計委員会は今までに100万人以上の米国公認会計士に対して、認定および免許付与を行ってきました。

課題

これまでの米国公認会計士試験は紙と鉛筆による試験であったため、限られた場所で年2回しか実施していませんでした。試験会場には、何千人もの受験者を同時に収容できる大きなホールが使われていました。しかも、初めての受験者は2日間の試験期間中に4つのセクションからなる試験をすべて受けなければなりません。このことは受験者と試験実施者の両方にとって、大きなストレスを生み出していました。査定や調査、分析など、現場で必要なスキルや経験を問うことに関しても、この試験の能力には限界がありました。

そのためAICPAとNASBAは、受験者が本来持っているスキルを正確かつ効果的に測定できるシステムを必要としていました。また、新たに米国公認会計士に挑戦する人を増やすために、今までよりもフレキシブルかつ平等な受験環境を求めていました。つまり、米国公認会計士試験を今の時代にあった実施方法にする必要がありました。

戦略

米国公認会計士試験がこれまでの社会的地位と成果を維持するために必要だったのは、コンピュータを利用した試験の実施経験ならびに大規模な資格プログラムの移行、マーケティングにおいて豊富な経験をもつパートナーでした。そして、AICPAとNASBAが公認会計士試験のパートナーとして選んだのがプロメトリックです。各関連機関からの代表者が招集され、 試験移行運営委員会と目的別の各ワークグループが立ち上げられました。各チームは機関の垣根を超えて、コンピュータを利用した試験への移行を目指し、月2度の会合を開きました。

ソリューション

過去90年にわたって行われてきた紙と鉛筆による試験を、コンピュータを利用した堅固な体制の試験へ移行するプロジェクトを開始しました。この試験は、全米各地にあるプロメトリックの試験会場のネットワークを通じて行われます。また、利便性の高い試験予約システムを有しています。この移行が成功すれば、受験者は試験日や試験会場を今までよりも幅広い選択肢の中から選ぶことができるようになります。また、試験内容は米国公認会計士としての高度な能力と倫理観を確認できるものとなり、試験環境は近代的で、機密性が高くかつ快適なものとなります。そして、関連機関すべてが高い満足度を得ることができます。

「プロメトリック のスタッフはプロジェクトを通じて自分たちに要求されている以上のことを成し遂げてくれました。それは仕事についてだけでなくクライアントをサポートしたいという彼らの意思の強さについても言えることです。」AICPA試験担当エグゼクティブ・ディレクター Craig N. Mills氏は述べています。「プロメトリックは今回も、自らが業界を牽引する企業であることを証明しました。プロメトリックの実行力や巧みなパートナーシップ、専門的なアドバイスのおかげで、米国公認会計士試験の移行をスケジュール通り、かつ成功裏に完了することができました。」

成果

プロメトリックとAICPA、NASBAは、予算とスケジュールを変更することなく、大規模な移行を完了させることができました。地理的に分散していた54のシステムと関連スタッフを一元管理できるようになりました。スケジュール通りに全米同時開始にこぎつけ、その成功率は99.9パーセントを超えました。さらに受験者の満足度も高く、試験日程を見ると、彼らが新しい制度を活用していることがわかります。受験者数も右肩上がりに増加しています。こうして、関連機関すべての要求がバランス良く満たされました。

試験実施団体が、実業務に近い試験問題や最新式の試験実施方法、プロメトリックの試験会場における厳重なセキュリティーを見れば、公認会計士試験の受験者が高い能力および倫理観を持った会計士であることを確信できるはずです。コンピュータを利用した試験を行うことで、試験実施団体が必要に応じて試験の内容を見直し、改善することも可能になりました。

受験者はほぼ通年、米国本土やバージン諸島、グアムにある300を超える会場で、試験の全セクションあるいは個別のセクションを受験できるようになりました。試験日や試験会場、試験科目で実施された利便性の高さは、試験予約のプロセスにも見られます。全受験者の85パーセントが試験日程をオンラインで決定しています。プロメトリックのカスタマー・サービス・スタッフは米国公認会計士試験の方針に関する確かな知識を持ち、受験者に対して質の高いサービスを提供しています。広々とした試験会場は機密性が高く、適切な温度管理が行われています。こういった要素がすべて揃うことで、確実な試験実施がおこなわれるのです。

すでに全米で高い評価を得ている米国公認会計士資格は、試験実施方法の変更により、一層高度な能力と倫理観を証明する資格となるでしょう。

概要:USCPA試験(米国公認管理会計士試験)のCBTへの移行

AICPAの所在地 ワシントンDC、ノースカロライナ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、テキサス州
NASBAの所在地 テネシー州ナッシュビル
CBT移行の時期 2004年4月
CBT移行の目的 さまざまな関連機関と連携して、米国公認会計士の要件に沿った試験を実施する。それと同時に、世界で最も大きく、最も高い評価を受けている専門集団の1つとして、試験の実施方法をさらに優れたものにする。
CBT移行の成果 過去90年にわたって行われてきた紙と鉛筆による試験を、コンピュータを利用した堅固な体制の試験へと移行した。この試験は、全米各地にあるプロメトリックの試験会場ネットワークを通じて行われる。また、利便性の高い試験予約システムを有している。
2009年7月には、コンピュータを利用した試験の配信数が100万試験に到達。2011年8月からは、日本(東京、横浜、大阪)や中東でも試験配信を開始。

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