インド経営大学院(IIM)試験配信への最適な移行提案

背景

インド経営大学院(IIM)は、インドで最も権威あるビジネススクール各校からなるネットワークです。2009年4月、IIMはプロメトリックと提携して、インド国内の試験としては最も規模が大きく、競争率や影響力の面でも最高水準にあるCommon Admission Test(共通入学試験、CAT)を、紙と鉛筆による形式からコンピュータを利用した形式に移行すると発表しました。CATは、IIMへの入学選考過程で利用されているだけでなく、インドのビジネススクール100校以上において利用されている大規模な入学試験です。

課題

コンピュータによる運用の初年度目標は、インド全域の32都市にある104カ所の試験会場で、361の試験室に設置したコンピュータ17,000台に20万件以上の試験を配信するという革新的なものでした。これほど短期間のうちに、これほど多くの受験者に対してコンピュータを利用した試験(CBT)を完了させる試みは他になく、試験実施まではごくわずかな時間しか残されていなかったため、プログラムの計画と設計は細部まで慎重かつ早急に行わなければなりませんでした。このプログラムをコンピュータを利用した形式に移行するのは初めてだったこともあり、作業の手間を省く試験インフラがすでに整っていたわけではありません。担当チームは、試験の登録やスケジュール管理、試験会場の募集と準備、セキュリティプランの策定まで、詳細にわたって検討する必要がありました。

戦略

配信成功に向けて作業に着手する前に、担当チームは多くのことを確認する必要がありました。
これにはプロメトリックの総力を挙げた支援体制と、パートナー各社による万全の協力体制が求められます。

  • 試験は、ロジスティック上の課題に関係なく、受験希望者全員に配信される必要があります。
  • 試験は、特定の1日に全国一斉配布するのではなく、10日にわたって配信します。1日に複数のセッションを盛り込むため、かつてないほど利便性や柔軟性が高まります。
  • 試験の全過程において受験者個人が特定できる方法を確立する必要があります。
  • オンライン出願管理では、必要な人口統計データや受験者情報データをすべて電子的に取得することによって、試験の整合性を確保します。オンラインスケジュール管理機能を利用すると、受験者は個別のIDを使って都合のよい試験場所を指定できるだけでなく、希望する試験日と試験時間を指定することもできます。
  • 受験者個人のデジタル写真や生体認証によるチェックインなどのID管理技術を導入することで、受験者が複数の時間帯や偽名で試験を受けられないようにします。

ソリューション

受験者が試験に申し込むには、個別のIDが付与された受験チケット(バウチャー)を取得する必要がありました。9月初旬までに、シリアル番号およびセキュリティ対策を施したバウチャー番号が記載されたバウチャー約35万枚が特別に用意され、インド全域の銀行170カ所以上で入手できるようになりました。

IIMの要請を受けて、1カ所以上の試験会場を提供する32都市が決定され、361カ所の試験会場が設営されました。試験会場はいずれも大学のトレーニング教室の中に置かれ、17,000台のコンピュータワークステーションを備えています。受験者は通常のID認証とサインインの処理に加えて、デジタル写真を撮影されるほか、生体認証用の指紋を採取するよう求められます。

プロメトリックでは受験フローとチェックインの手順を設計し、試験初日に先立って大規模な模擬試験をコンピュータラボで行いました。また、10日間で25万件以上の試験にシステムが確実に対応できるよう、試験の負荷テストも行いました。これらの模擬試験や試験結果を利用して、試験期間中に試験会場に待機するスタッフ向けに、最終的なトレーニング教材や手順書一式を作成しました。

プロメトリックは現地のパートナーと協力して、試験監督、技術サポート、試験会場スタッフ合わせて1,000人以上を数週間にわたりトレーニングしました。これらのトレーニングを受けた担当者たちが104カ所の試験会場を設置し、361の試験室を用意しました。さらに、試験配信ソフトウェアのインストールと管理や適切な試験会場設定要件、適切なハードウェアやソフトウェア構成に関するトレーニングをスタッフに行いました。さらに、試験監督のトレーニングと認定プログラムは次の2つの主要分野を中心に設計されました。1つ目は試験の保護と試験環境のセキュリティ確保を特に重視したポリシー、セキュリティ、および試験会場内における受験者の受付手順管理、2つ目は生体認証用の指紋採取機器など、プロメトリックが試験会場運営管理を行う上で必要なソフトウェアをはじめとする技術インフラの使用です。

プロメトリックがCAT向けに採用したセキュリティ対策の中には、試験問題の保護を目的としたものもあれば、学生のID認証を目的としたものもありました。試験問題の露出を最小限に抑えるため、プロメトリックは個別の試験起動コード一式を設定して、これらを各試験セッションの直前に試験会場のスタッフに配布しました。このセッション固有のコードがないと、どのコンピュータでも試験を起動できないようにしたのです。物理的セキュリティについては、試験室ごとに2カ所あるセキュリティチェックポイントに警備員を配置したほか、受験者が試験室で禁止されている物を持ち込んでいないか確認するための身体検査を行うとともに、受験者のIDをチェックし、指紋を採取して写真を撮りました。プロメトリックはさらに各試験セッションをデジタルビデオカメラで撮影し、すべての受験手順に沿っているか確認するため、試験会場を内密に監視しました。

成果

2009年11月28日、CAT試験はインド全域の32都市にある104カ所の試験会場、361の試験室で開始されました。受験期間終了までに、20万人を超える受験者が無事に試験を終えました。CATの運用を成功裏に完了させたことはIIMにとって重要な功績であり、IIM、受験者、インドのビジネスコミュニティにとって意義のある新時代の幕開けとなりました。

概要:インド経営大学院(IIM)

所在地 インド全域
移行の目的 インド全域の32都市にある104カ所の試験会場で、361の試験室に設置したコンピュータ17,000台に20万件以上の試験を初めて配信する。これほど短期間のうちに、これほど多くの受験者がコンピュータを利用した試験(CBT)を完了させる試みは他になかったといえる。
移行の成果 この革新的な運用形式により、受験期間終了までに20万人を超える受験者が試験を無事に終えた。

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