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プロメトリックが提供するCBTサービスの仕組みについてご紹介いたします。

コラム:CBTの仕組み

第五回:CBTとグローバル化が進む社会

2013年11月25日 掲載

このシリーズではこれまでに、CBT(Computer-based Testing、コンピュータを利用した試験)サービスにおいて「柔軟な受験機会を提供しつつ、試験としての公平性を担保する」という観点から、出題の仕組みと試験監督のあり方についての話題を紹介しました。シリーズ第五回となる今回は、なぜ今、こんなにもCBTサービスが注目されているのかを、CBTの利点だけでなく、ICT(Information and Communication Technology)の発展や社会環境の変化を踏まえて解説いたします。

CBTならではの問題の形式

CBTで試験を実施することは、試験問題を紙に印刷する代わりにディスプレイに表示することのみを意味するわけではありません。CBTでは、紙媒体の試験(Paper-based Testing, PBT)で扱えなかった形式の問題が出題可能になります。PBTであれば図や写真を使うところを、CBTであればインタラクティブなオブジェクトを使うことが可能です。解答過程で解答者に能動的な操作をさせる、例えば3Dオブジェクトを回転・拡大して関連情報を見つけ出す必要がある問題を出題することで、PBTでは測定するのが難しかった能力を、CBTでは測定対象に含めることが可能になります。また、解答時間などの解答過程自体に関連する情報も、CBTでは収集することが可能になります。海外の運転免許試験の例では、運転中の視界の動画を受験者に提示し、危険を事前に察知して各種の運転操作を行うタイミングを反応データとして収集する形式の問題があります。飛行機のパイロット用のフライトシミュレーターを使った試験も、広義のCBTと言えるでしょう。

CBTならではの出題の仕組み

PBTでは、試験問題が問題冊子として印刷されてしまうと、その中身を動的に操作することはできません。一方CBTでは、出題の仕組みに様々なレベルでの柔軟性を織り込むことが可能になります。同じフォームでも受験者ごとに問題の出題順を変えることが可能です。また、LOFT(Linear-on-the-fly Testing)に代表される試験問題のプールより定められた条件に従い試験問題を受験者ごとに自動的に選定する仕組みや、受験者の解答状況に応じて次に出題する問題を選定する、つまり、受験者によって試験の難易度等を調節する適応型の出題ロジックを構築することも、CBTならば可能です。

ICTの発展と普及

近年、学び現場でICTの活用が進む中、試験のCBT化が進むのは、極めて自然な流れと言えます。ICTを駆使した学習環境で学び、ICTに囲まれた業務環境で仕事をする時代に、いつまでも試験だけが紙に印刷されている必然性はありません。実際、PBTでなければ実現できない試験というのは、ほとんど存在しません。20年後ぐらい先を見れば、私たちが普段目にする試験の大部分は、CBTで実施されていることでしょう。しかし、ここ数年でCBTがこれほど注目されるようになった理由は、実は社会の別の変化にあります。

グローバル化する社会

急速にグローバル化が進む社会において、様々な人材・能力の判断基準やプロフェッショナル・ライセンス付与の条件が交差する中、これから私たちは、どのような基準で人を評価し、能力を発揮する機会を与えるのでしょう。近年のグローバル化により発生しているのは、国家間の人材・能力の規格競争です。何をもって能力があると認めるのか(優秀さの定義)、どのような基準でプロフェッショナル・ライセンスを付与するのか、どのような学生に高等教育の機会を与えるのか、これらは、少なくとも10年ほど前までは国や地域によって大きく異なっていました。しかし、グローバル化に伴い、ビジネス、職場、人材、そして教育の機会が、国境を超える時代になっています。大学は国内の学生だけを教育するわけではなく、また国内の学生は国内の大学だけで学ぶ時代ではありません。企業は世界中から優秀な人材を確保し、個人はグローバルな環境で業務を遂行します。

試験を「能力測定のツール」と考えた時、自国のローカルな試験をいかにグローバルに展開するのかは、これからの国家戦略に直結する重要な課題に位置づけられます。近年、欧米諸国における顕著なトレンドは、大学・大学院の入学試験や医師・会計士のライセンス試験などの大事な試験のCBT化です。改めて解説するまでも無く、グローバル化が進む環境において、いかに自国の高等教育機関に世界中から優秀な学生を集めるのか、あるいは、いかに自国のプロフェッショナル基準をグローバルなディファクト・スタンダードとして売り込むのかは、各国の将来を大きく左右すると考えられます。そして、このような人材・能力規格競争に対する国家戦略の第一歩が、自国の基準に従い作成されている試験(能力測定のツール)をCBTのプラットフォーム上に展開し、世界中で柔軟に受験可能な環境を整え、自国のローカルな能力基準をグローバル規格として世界中に認知させることなのです。


CBTの仕組み:第六回 試験結果の考え方@
CBTの仕組み:第五回 CBTとグローバル化が進む社会
CBTの仕組み:第四回 試験監督のあり方
CBTの仕組み:第三回 試験問題の事前評価
CBTの仕組み:第二回 出題の仕組みA LOFT方式
CBTの仕組み:第一回 出題の仕組み@ フォーム方式

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