スキルアップコラム

ITサービスに関わる全ての企業・組織に役立つ
世界共通の知識ITIL®のご紹介

みなさんはITIL®(アイティル)という資格をご存知でしょうか。ITIL®とはInformation Technology Infrastructure Libraryの略語で、1989年にイギリス政府商務省(OGC)がとりまとめた、ITサービスマネジメントのベストプラクティスで構成されたフレームワークです。しかしベストプラクティスやフレームワークという言葉にあまり馴染みのない方も多いと思います。今回はそういった方に向けて、ITIL®の内容や目的、メリットについてご紹介します。

掲載日:2016年8月1日

ITサービスマネジメントとITIL®

現在のビジネス活動はITの利活用なくしては成立しないといっても過言ではないでしょう。同時にサーバーや業務システムのトラブルなどの運用における障害がビジネスに与える影響も、その活用の度合に応じて大きくなっており、既存システムを維持するためには多額のコストが必要となっています。しかし従来のシステム運用はトラブルが発生してから対応を検討するといった、場当たり的な運用も多く、コストとユーザーの満足度が比例しないという状況がありました。

 

ITIL®を活用している企業・組織
テクノロジー:マイクロソフト/富士通/IBM
         ヒューレット・パッカード/
小 売:ウォルマート/ステープルズ
金 融:シティバンク/バンクオブアメリカ/
      バークレー銀行
エンターテインメント:ソニー/ディズニー
製 造:ボーイング/トヨタ/
      ブリティッシュエアウェイズ
製 薬:ファイザー/武田製薬
化 学:シェル石油
政府系組織:アメリカ航空宇宙局(NASA)/
       北アメリカ航空宇宙防衛司令部
       (NORAD)/米国国防省

出典:AXELOS webサイト

その解決方法として、システムの機能をユーザーに提供する「ITサービス」として捉え、一定のルールに沿って運営(マネジメント)し、高品質に維持・提供するという考え方が、ITサービスマネジメントです。

ITIL®はこのITサービスマネジメントのベストプラクティス(最善の方法、最良の事例)をまとめたものであり、簡単に言えば「こうするとITサービスを適切に提供できますよ」というノウハウ本のようなものです。従って、必ず守るべきルールではなく、それぞれの企業や組織が置かれている状況に応じて必要な部分を取り入れていくものなのです。また冒頭でご説明のとおりITIL®はフレームワーク(包括的な枠組み)なので、ITIL®を雛形とすることで、漏れのないITサービスマネジメントの仕組みを構築できます。

既にITIL®はさまざまな業種における世界の著名な企業・組織に採用されており、ITサービス運用の分野で事実上の業界基準となっています。ITIL®はISOとは異なり、組織ではなく個人に認証を与えるものですが、日本においてもITIL®ファンデーションの資格認定者は14万人を超えており、その注目度はますます高まっています。

ITIL®のメリットと活用事例

それではITIL®の具体的なメリットとはなんでしょうか。ITIL®は企業・組織によって活用方法が異なるため、あらゆるケースにおいて効果があるとは限りませんが、一般的に次のようなメリットが得られます。

企業・組織のメリット

  • ITサービスとビジネスの連携強化
  • ITサービスの見える化と業務の効率化
  • ITサービスの品質およびユーザー満足度の向上
  • コスト最適化と投資効率の向上
  • PDCAサイクルによる安定的なITサービスの提供と環境変化への柔軟な対応

個人のメリット

  • ITサービスマネジメントの体系的な知識を身につけていることを証明できる。
  • 国際的な資格として証明できるため、キャリアの可能性を広げることができる。

しかし、ここに挙げたメリットでは漠然としていてイメージができないという方もいると思います。以下のスキルアップコラムでは実際にITIL®を活用した企業の事例をご紹介していますので是非ご一読ください。

[スキルアップコラム:ITIL®活用事例]

システム運用をユーザーに提供する「ITサービス」としてとらえ、一定のルールに沿って運営(マネジメント)し、高品質に維持・提供するという考え方がITサービスマネジメントです。その仕組みの構築にあたっては、多くの企業がITIL®というフレームワークを採用しています。
しかしITIL®はただ採用すればよいというものではなく、それぞれの企業・組織に合わせて適切に活用しなくてはそのメリットを享受できません。今回は、2000年からITサービスマネジメントの構築に取り組み、ITIL®を活用して運用品質の向上および効率化を実現した東京海上日動システムズ ITサービス本部 ITサービス管理部 担当部長/itSMF Japan 理事 平川 歩氏にこれまでの取り組みについてお話を伺いました。

まずはITIL®ファンデーション試験に挑戦

ITIL®は以下の資格プログラム体系で構成されています。

EXIN
  • 入門者向けのファンデーション
  • 初中級者向けプラクテショナ *
  • 中級者向けのインターミディエイト
  • 上級者向けのエキスパート
  • 最上位資格のマスター

* 2016年英語版リリース済、2016年末日本語版リリース予定

これからITIL®取得を検討されている方は、まずファンデーション試験に挑戦することでITサービスマネジメントの基礎を学ぶことができます。認定試験の出題範囲はシラバス(教育および教材設計、開発等の手引き)で明確に定められ、公開されています。認定を受けた教育事業者によるトレーニングプログラムの提供や、日本語による解説書籍も出版されていますので、自身に合った学習方法を選択することが可能です。

[参考:EXIN認定試験/ITIL®ファンデーション試験(プロメトリックWebサイト)]
[参考:ITIL®(EXIN Webサイト)]

よくITIL®はITサービスマネジメントにおける世界共通言語だといわれています。これは、世界中の企業・組織がシステムの運用で同じような課題を抱え、解決策を模索している中、特定のプロダクトやサービスに依存しない汎用的な指針としてITIL®が広く受け入れられたことがその背景にあります。2005年にはITIL®をベースとしたISO/IEC20000が国際規格化され、国内でも多くの企業が認証を取得しています。ITサービスマネジメントを効率的に運用することはITサービスの価値を高め、利益を生み出し、企業や組織全体を効果的に運営することに繋がります。この機会にITIL®に挑戦し、ITサービスマネジメントのプロフェッショナルを目指してはいかがでしょうか。

EXIN®はEXINの登録商標です。ITIL® and PRINCE2® はAXELOS Limitedの登録商標です。本文中に記載されている製品名や試験名称は、各社の登録商標または商標です。本ページに記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があります。何卒ご了承ください。

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