米国小児科委員会(ABP)認定試験のCBT化についての最適な提案

背景

1933年創立の米国小児科委員会(ABP)は、米国専門医認定機構(American Board of Medical Specialties) に属する24の認定機構の1つとして、一般小児科医およびサブスペシャリストの認定を実施し、新生児医療、小児医療および青年期医療の質を高水準に保つ役割を担っています。ABPの認定を受けた医療従事者は厳密な資格審査に加えて、認定後も医療従事者に不可欠な能力の継続的評価を受けるため、ABP認定医師は専門分野の能力を確実に維持することになり、アメリカ国民に安全と安心を提供します。

課題

医師に必要なスキルを継続的に評価するため、ABPは認定更新プロセスの一環として、毎年5,000件を超える認定更新試験を実施しています。ABPはまた、セキュリティ対策がきちんと施され、試験監督員を配置したシステムに切り替え、試験を全世界に配信できる態勢を整える必要がありました。そこでABPは、より広範かつ効果的な試験運営方式への移行を決定しました。

戦略

拡張性と国際的な展開という2つのニーズを念頭に、ABPはこれまでの紙試験(PBT)に代わる有望な候補として、コンピュータを使用した試験(CBT)に着目しました。CBTに移行すれば、認定更新試験をいつでも、どこでも実施でき、受験者は何百キロ、場合によっては何千キロも離れたABP公認の試験会場にわざわざ足を運ぶ必要がなくなります。こうしたCBTのユビキタス性を活かせば、認定更新試験の受験受け入れ人数が増え、また受験日程の選択の幅が広がるため、受験者は自分の都合に合わせて受験日を選びやすくなるはずです。

CBTへの移行を決定した時点で、ABPはこの新しいシステムに影響を与える可能性がある問題を3つ特定しました。すなわち試験の保全性、試験会場のセキュリティ、および配信モデルに関する課題です。それまでABPの試験問題についての情報が漏えいしたことはなく、ABPはCBT移行後も情報の漏えいを絶対に防ぎたいと考えていました。また試験実施中のセキュリティを十分確保するには、受験者の個人情報のモニタリングも必要になります。

最後に、この試験はその性質上、複雑で学術的な内容となるため、ABPは試験の内容と形式を自ら常時完全制御できるよう、試験配信システムを独自開発する方針を固めました。CBT化を成功させるには、ABP内の開発チームと連携して、この取り組みを支え、強化し、取りまとめることのできるパートナーを探すことが不可欠でした。 。

ソリューション

CBTへの移行と認定更新試験実施の両面においてABPが選んだパートナーは、 試験および評価サービスの世界的なリーディングカンパニーとして信頼を集めるプロメトリックでした。セキュリティ対策が施されたプロメトリックのグローバルな試験会場ネットワークは、ABPが必要とする国内外の基幹網を提供しました。これで、Program for Maintenance of Certification in Pediatrics(PMCP)試験を所定の場所で1年に1、2回実施する程度だった従来のやり方を改め、受験者がインターネットで簡単に試験を予約し、試験の実施期間中に、アメリカ国内のみならず海外の最寄りの会場でも試験を受けることが可能になりました。

そのうえ、プロメトリックの試験会場ネットワークは、ABP認証を適切に維持するために不可欠な、試験会場のセキュリティと試験問題の保全性も確保しました。試験監督員の配置と映像監視システムの設置、そしてバイオメトリクス認証方法の導入により、受験者の身元の確認と照合を行います。CBTへの移行とセキュリティ対策をきちんと施した上での試験実施により、ABPは、プロメトリックの試験会場の来場者が間違いなく本人であると断言できるようになりました。

ABP内部チームと力を合わせて試験配信システムの開発と試験実施方法の移行の作業を進めたいというプロメトリックの熱意で、ABPが独自に開発した試験配信システムは、さらに充実したものとなりました。この試験が受験者だけでなく、公衆の健康と幸福のためにも、いかに重要な意味を持つかを、プロメトリックはただちに理解しました。技術専門家チームの協力により、新たな試験配信システムと試験実施方法を、高機能な試験環境にシームレスに統合することに成功しました。

成果

CBTへの移行後、初の認定更新試験は大好評を博しました。その背景には、混乱を避けるために試験当日のかなり前から、新しい試験方式とバイオメトリクス認証方法などセキュリティ対策の強化内容について告知し、ABPと受験者の間のコミュニケーションに気を配ったことがあります。ほかにも、受験者に新たな試験実施方法に慣れていただくために、事前にログインの手順や設問のサンプルなどのデモンストレーションをオンラインで行いました。

また、試験問題の最後にアンケート欄を設けたことで、受験者の反応を整理し、まとめやすくなりました。さらに、このアンケートの結果、自分で日程を決められる便利さと、地元の試験会場で試験を受けられる手軽さが、受験者がマイナス要素とみなしていた難点を埋め合わせていることがわかりました。システムの構築にプロメトリックが直接関与することで、ABPは新たな配信システムの開発と実施に付いて回る課題に、格段に対処しやすくなったのです。

概要:ABP

所在地 ノースカロライナ州チャペルヒル
課題 認定更新試験を、セキュリティ対策を施し、試験監督員を配置してグローバルに実施できる環境に移行させる必要があった。
成果 移行後初の試験は、受験者が自分で日程を決められる便利さと、地元の試験会場で試験を受けることのできる手軽さで大好評を博した。

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