日本証券業協会様 導入事例

年間10万人規模で受験する「外務員資格試験」の受験機会を増やすために2001年にCBTを導入。
受験日や場所を選べるようになり、合格発表までのタイムラグも短縮。
2021年には新たに「金融商品取引業基礎試験」もCBTでスタートしました。

サービス導入団体 日本証券業協会
CBT導入試験
  • 外務員資格試験
  • 内部管理責任者資格試験
  • 金融商品取引業基礎試験
CBT導入研修
  • 外務員資格更新研修
試験規模
  • 通年開催(土日・祝日・年末年始休業を除く)
  • 受験人数 年間10万人以上
導入前の課題
  • 紙(マークシート)での集合型試験では受験回数と場所が限られていた。
  • 採点と集計に時間がかかり、合格発表までにタイムラグが生じていた。
  • 年間10万人規模の受験者を集める大規模試験のため、会場手配など運営の負荷が膨大だった。
  • 試験問題を1回しか使えず、毎回すべての問題を作成しなければならなかった。

※日本証券業協会の所属協会員のみを対象

株式などの金融商品を扱う仕事には必須の試験。
受験機会を増やすために、CBT導入を決定。

日本証券業協会は、証券会社などの金融機関によって組織される団体で、主に株式や投資信託などの金融商品を扱う上での自主規制ルールの策定、監査を行っています。他にも、金融・資本市場に関する調査研究、金融・証券知識の普及・啓発活動なども行っています。

当協会が定めている自主規制ルールのひとつに、「営業活動を行う外務員は、外務員資格試験に合格し外務員資格を取得しなければならない」というものがあります。つまり、外務員資格試験に合格しないと金融商品の販売・勧誘などの営業活動ができません。そのため、証券会社や銀行など金融商品を扱う企業の社員にとっては必須の試験で、毎年多くの新入社員が受験しています。

もともとは年に3回ほど紙での集合試験を行っていましたが、2001年にCBTへ移行しました。移行した大きな理由は、営業活動に必須の試験にも関わらず、受験回数と場所が限られていたことです。受験日程が合わなかったり不合格だったりすると、次の試験まで数ヶ月間待つことになるため、もっと回数を増やしてほしいとの強い要望がありました。さらに、受験者は1日も早く営業したいのに、採点や集計が大変で合格発表までに1〜2週間かかってしまうことも課題でした。

また、年間10万人規模で受験する大規模試験だったので、運用も本当に大変でした。試験問題も紙での集合試験だと1回だけしか使えないので、毎回試験問題を作らなくてはなりません。受験者の取りまとめ、受験者への連絡、当日の会場手配などの作業も膨大。受験機会を増やしてほしいと言われても、作業負荷を考えると紙の試験ではこれ以上の対応は難しい状況でした。そこで、これらの課題を解決できる手段として、CBTを導入することになりました。

業界にとって重要な試験。
信頼性を重視してプロメトリック社に依頼。

外務員資格試験は、証券業界にとって非常に重要な試験です。業界の信頼性を損ねないためにも、絶対的な信頼がおける会社にCBTをお願いしたいと考えていました。その点、プロメトリック社のアメリカ本社は全米証券業協会(NASD)の外務員資格試験を実施していましたし、日本でもTOEFLなど大規模試験の実績があったので、安心感がありました。また、全都道府県に試験会場があり、設備面も整っていて、受験者が安心して受験できる環境だったことも、プロメトリック社にお願いする決め手となりました。

CBTを導入した結果、平日であれば毎日受験できるようになり、合格発表までの時間も大幅に短縮することができました。会場も選択できるので、受験者の負荷も減りましたね。プロメトリック社の会場の環境も良くて、しっかり集中して受験することができます。不合格になってしまった受験生からは「あれだけ集中して受験できたのに、落ちてしまったのは準備不足。言い訳できない環境です」と褒めてもらいました(笑)。

受験に関わる膨大な作業も、ほぼプロメトリック社にお願いしています。試験問題も1回限りではなく、多くの問題から分野ごとにランダムに配信される形式にすることで、継続的に出題できるようになり、以前に比べて試験問題の作成や管理の業務負荷が軽くなったことがとてもありがたいです。

外務員資格更新研修もCBTで実施。
新たに「金融商品取引業基礎試験」もスタート。

外務員資格試験でプロメトリック社のCBT試験が問題なく運用できることがわかったので、外務員が5年に1度受講する外務員資格更新研修もCBTで実施するようになりました。以前は会場を用意して集合型研修を行っていましたが、CBTでは動画による研修と理解度確認テストを配信しています。

さらに、2021年には「金融商品取引業基礎試験」という新しい試験もスタートしました。外務員資格試験は一般の方も受験できますが、基本的には証券会社や銀行など金融業務に携わる社員が受験します。一方、金融商品取引業基礎試験はその名の通り基本的な知識を問う試験で、広く一般の方を対象にしています。例えば、金融業界に興味のある学生や、金融に関するコンテンツの制作やシステムの開発などに携わる社会人の方が受験のための準備をすると、金融に関する基礎知識が広く身につく内容になっています。

この試験は申込みから受験、合否発表まで、すべてプロメトリック社のシステムで実施しています。外務員資格試験の実績があったので、最初からCBTを想定して組み立てました。当協会は試験の骨格と試験問題を考えるだけで新たな試験をひとつ作ることができました。

毎年10万人以上が受験する大規模試験をスムーズに運用することで業界の発展に貢献。

これからも毎年10万人以上が受験するので、スムーズな運用をすることで金融業界の発展に貢献していきたいと思っています。また、CBTで実施している外務員資格更新研修は、受講者が会社や自宅など好きな場所で受講できるIBT(Internet Based Testing※)に移行する予定です。

今後は、プロメトリック社と一緒に一般の受験者情報の収集や分析についても進めていきたいと考えています。特に、まだ始まったばかりの金融商品取引業基礎試験は規模を拡大していきたいので、分析結果をもとにどのような戦略で動けば良いのか、次の一手を考えたいですね。プロメトリック社ではAIを使ったサービスも検討中だと聞いています。最新技術を活用して運営の負荷軽減だけでなく、受験者や受講者のメリットにもなるサービスを期待しています。

※IBT(Internet Based Testing):受験者自身のパソコンとインターネット環境を利用し、自宅や会社などから受験する試験方式。

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