一般社団法人 外国人食品産業技能評価機構 導入事例

海外で試験を実施する上でのさまざまな課題が、プロメトリックに一括委託することで解決、スムーズに試験を開始できました。

サービス導入団体 一般社団法人 外国人食品産業技能評価機構
CBT導入試験
  • 外食業特定技能1号技能測定試験
  • 飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験
試験規模
  • 通年開催(日・祝日・年末年始休業を除く)
  • 受験人数 年間約1~3万人
CBT導入前の課題
  • 海外でどのように試験を実施すればよいか、実務面での難しさを感じていた
試験分析サービス導入前の課題
  • 試験問題の品質評価について、専門的な知見を持っていなかった
  • 試験時間の妥当性を検討するにあたり、根拠となる分析データを持っていなかった

国外実施での受験料徴収や税金の納付など
業務を一括で依頼。

- 事業内容について教えてください。

当機構では、主に二つの事業を実施しています。一つ目は飲食料品製造業及び外食業における外国人特定技能試験の実施。二つ目はそう菜製造業の外国人技能実習の技能評価試験の実施です。
これらの事業の実施を通じて、外国人特定技能労働者及び外国人技能実習生の技能向上と、その技能を通じて、国内外の食品産業と食に関する文化の発展を目指しています。

- お取引開始の前に、プロメトリックをご存知でしたか?

当機構は2019年8月にプロメトリック社と最初の契約を結んでいますが、以前は知りませんでした。
2018年に入管法が改正されて、特定技能制度が創設され、2019年4月に施行されていますが、その4月にすぐ外食業の国内試験をPBTで実施しています。当初、当機構は、国外試験も自分たちで現地に行って実施する予定でしたが、他業種の特定技能試験のいくつかをプロメトリック社がCBT (Computer Based Testing)で受託していると聞き、色々と内容を確認した上でプロメトリック社にお願いすることになりました。

- 国外でもPBT(Paper-Based Testing)実施を検討されたのですか?

2018年度の実施準備の段階ではそう考えていました。国外でPBTを実施している他の試験実施団体の話を聞くと、受験料徴収も税金の納付も自分達でしなければならないし、現地通貨から日本円への換金などもあり、大変そうだと思っていました。
それならPBTでなくCBTにして、そういった業務も含めてプロメトリック社に一括で依頼した方が良さそうだと考えました。

- 導入時、他社様は検討されましたか?

もちろん他社も検討しましたが、プロメトリック社は他の特定技能試験で運用が開始されており、すでに特定技能試験向けに試験申込・管理システムのカスタマイズができていたのに対し、他社では、そういったカスタマイズができていませんでしたので、早めの試験実施には対応できないということが大きかったです。

問題への対応力と、厳格な試験運用が強み。

- そこからこれまでプロメトリックのサービスをご利用いただき、今年は新たな契約もさせていただきました。プロメトリックに決めた理由を教えてください。

2023年度以降の実施のため、2022年に行った入札では、価格面とサービス等の品質面の総合評価方式で行い、結果、プロメトリック社が選定されました。サービス内容で大きなポイントになったのは各国での税金対応ですね。ここをお任せできるのは助かります。他にも、さまざまな予約形態への対応についても良い提案をしてもらったと思っています。

- これまでプロメトリックと試験配信事業をする上で、ハードルとなったことや難しかったことはありますか?

特になかったと思いますが、当機構の今のプロメトリック社のカウンターパートの方々は、こちらの意図をスムーズに理解してくれて、問題があっても何とか解決しようという姿勢で対応してくれるので助かっています。プロメトリック社の人事の都合もあるとは思いますが、できることなら、カウンターパートを変えないでほしいなぁと思っています。

- 貴機構から見たプロメトリックの強みは何だと思いますか?

海外各国の税金対応もそうですし、問題があった場合の対応力はありがたいと感じています。また、これまでの実績で、国外の試験会場で厳格な試験運用と監視ができていることも強みの一つだと思います。

試験品質の分析結果を試験問題の改善に繋げる。

- これまでにプロメトリックの試験品質分析サービスや、試験時間分析サービスなどもご利用されましたが、それらはどのように役立ちましたか?

まず試験品質分析について、当機構は2019年1月に設立された団体であり、そもそも試験品質分析という概念すら理解していませんでしたが、アメリカでは、そういう学問領域があり、学術的な蓄積もあると紹介してもらい、やらなければならないと感じたので取り入れてみました。
試験品質分析サービスで得られた分析結果は、試験問題案作成を担当する団体や試験問題を最終的にオーソライズする農林水産省に共有し、問題の改善に繋げていただくなど参考にしてもらいました。

試験時間分析サービスについては、試験時間の妥当性を検討する場合に、もし試験時間を変更したら受験者にどういう影響をもたらすか数値的な分析結果が必要だったため依頼しました。
シミュレーションの結果、一定内の変更であれば、合格率に大きな影響を与えないであろうことが推定できました。そういう分析は自分たちではできなかったので、大変に助かりました。

 

 

食品産業界で人材が確保できるよう
社会的役割をしっかりと果たしていきたい。

- 今後、貴機構はどのように事業を展開していきたいと考えていますか?

国外試験についていえば、今後試験配信国が増えていくことになるだろうと思います。国外試験については、実施国の追加は政府間での協議が整うことが前提で、当機構は、所管の農林水産省から実施準備指示を受ける立場にあります。当機構のイニシアティヴで実施国が増えて行く訳ではありませんが、日本の食品産業界においても他産業同様に人手不足のため、外国人に頼らざるを得ないという実態がありますし、日本経済の世界における影響力が相対的に下がってきているとはいえ、ありがたいことにまだアジアの国々から働きたい国の一つとして選ばれていますので、そういったことを背景に、今後、試験実施国は少しずつ拡大していくだろうと思います。食品産業界で人材が確保できるよう当機構の社会的役割をしっかりと果たしていきたいと考えています。

- 今後プロメトリックと取り組みたいと考えていることはありますか?

やはり試験ですので、厳正に行う必要があります。不正行為に対する監視と発生防止は、試験実施団体として、継続的に取り組んでいくべき課題です。プロメトリック社はさまざまな方法で不正行為監視と防止対策をしてくれていますし、時に発生し、厳正対応した不正行為の具体例も共有してもらっています。それを踏まえて、どういった発生防止対応がさらに取れるか一緒に検討していければと思います。

- 今後のプロメトリックに対する期待を教えてください。

最近は国内だけでなく、国外でも受験者数が相当増えてきています。試験実施国が追加されればさらに増えるので、現地での社会的ストレスが高じないよう、試験会場キャパの拡大など適切な対応をぜひお願いしたいと思います。

 

※掲載内容は2023年12月の取材当時のものです

今回の取材にご協力いただいたお客様

一般社団法人 外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)
常務理事・事務局長 下條 龍二 様

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