株式会社サートプロ 導入事例
国境を越えたIT人材育成を加速するために、CBT導入で試験運営の効率化とセキュリティ強化を実現。
サービス導入団体 | 株式会社サートプロ |
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CBT導入試験 |
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試験時期 | 通年で実施 |
年間配信数 | 2,000(CBTのみ) |
導入前の課題 | IT分野の最新技術のスキルを測る新しい検定試験は、日本国内だけでなく海外在住者の受験も想定し、多言語を前提に設計する必要があった |
技術者の「スキルの可視化」が強く求められる今、受験者と検定試験を実施する企業双方の利便性を高めるためのCBT化は必須だった
IT業界のニーズに合わせた人材育成とスキルアップのために、様々な事業を展開している株式会社サートプロの代表取締役CEOの近森様にお話を伺いました。
弊社では、主にSI企業や製造業のお客様に対し、IT分野の最新技術やトレンドに応じた研修や検定試験の開発を行っています。2006年の創業以来、技術スキルの向上を支援する「研修サービス」、技術スキルを証明する「試験・検定サービス」、研修カリキュラムの研究・開発を行う「コンサルティングサービス」を通じて、多くのお客様を支援してきました。
中でも試験・検定事業は、弊社の事業の核となっています。サートプロでは検定試験を実施したい企業や団体と課題を洗い出すディスカッションから着手し、検定試験制度の設計開発と提供、運営管理までを一貫して提供します。最新技術に精通した専門家が設計する検定試験は、実務に役立つスキルを測れるものとして高い評価を受けてきました。2010年からは複数の技術者認定試験団体の運営事務局を担い、中立公正な立場でのスキルの可視化を実現しています。
IT教育業界に長くいたこともあり、創業当初から紙ベースの試験は効率化の面で限界にぶつかることが確実で、いずれはコンピュータを活用した試験(CBT)が主流になっていくと感じていました。受験者と試験を実施する企業双方の利便性を高めるために、CBT化が必要だという確信がありました。年数回の受験機会を提供する場合の運用負担とCBT化による生産性向上を比較し、サートプロが事務局として運営している検定試験のCBT化を決定しました。
IT技術に国境なし。世界で通じるスキルを証明するCBTを実現するために、国際的な展開も可能なプロメトリック社を選んだ
現在、弊社が事務局を務める5つの団体の検定試験において、プロメトリック社のCBTを活用しています。プロメトリック社を選んだ理由はいくつかありますが、そのひとつは英語を含む多言語対応が可能で、国際的に試験を配信できる数少ないベンダーのひとつだったことです。技術というものに国境はなく、ITは世界中に拡大していることから、技術者がスキルを証明する検定試験はグローバルに拡大していくことでしょう。その点で世界に8,000か所以上の試験会場を持ち、そのすべてにおいてセキュリティが確保されているプロメトリック社はパートナーとして最適でした。
実はプロメトリック社とは、長いおつきあいになります。2006年にサートプロを設立する前に私が代表を務めていたいくつかの団体でも、プロメトリック社に試験配信を依頼していました。CBT業界の中でも歴史があり、豊富な実績のある安定した企業であるプロメトリック社は、当時から信頼感がありました。
また2000年にはユーザーの1人としてプロメトリック社の試験会場で受験する機会もあり、受験者が安心して試験に臨める環境を提供していることを知っていました。仕事柄、他社の試験会場を見学することが多いのですが、どうしてもセキュリティ対策に目がいってしまいます。その点、プロメトリック社の試験会場には運営の目が届かない部分がなく、情報漏えいを防ぐセキュリティの高さを感じました。
余談になりますが、CBT業界の中でもプロメトリック社は本当に堅い会社。こちらが「こういうことができるといいですよね」とお願いしても、すぐにはやってくれません(笑)。 でもこれはプロメトリック社が、自分達のサービスを深く理解しているためだと思っています。軽々しいところがなく、自分達が実現できることを確実にやりとげるプロメトリック社の堅実な企業姿勢には、教育事業に携わる者として大きな信頼を寄せています。
CBTの導入で情報が一元化され、多くの場面で効率化を実現。手続きの自動化は、運営の仕組みづくりを容易にした
現在、5つの団体で合計14種類の試験をプロメトリック社のCBTで実施しています。最初のリリースは2007年頃でした。それから10年に渡って、ひとつずつCBT化を進めてきました。「XMLマスター(XML技術者認定制度)」については、2005年頃に弊社の前に事務局を務めていた団体がプロメトリック社でCBT化したものを、2012年にサートプロに移管しました。懸念事項だったシステムの互換性は、段階的な導入を進めることで解決できました。
どの試験もプロメトリック社に相談してからリリースまで、概ね2カ月くらいだったと思います。実装までの間、プロメトリック社の担当者と密にコミュニケーションを取りながら進んでいきました。弊社が求めるスピード感にも、問題なく対応いただいたと思います。
プロメトリック社に依頼してよかったことのひとつは、紙と鉛筆で実施する試験に比べて情報が一元化されたことです。CBTで多くの手続きが自動化されることで、運営業務の効率化と同時に仕組みを作りやすくなりました。紙の試験では会場の大きさや受験者数に応じたスタッフが必要になりますが、CBT化は人員を大きく効率化したと思います。管理負担が軽減することで、全体的なコスト削減につながりました。
そのほかでは、CBT業界におけるプロメトリック社のネームバリューの大きさですね。受験する方から「昔、プロメトリック社の会場で受けたことがあります」という声をよく聞きます。
様々な場所で活躍するプロフェッショナル。そのスキルを証明するCBTの需要は、今後ますます高くなっていくと予想
弊社が現在、紙で実施している検定試験は、今後順次CBT化していくことを考えています。今後プロメトリック社には、これまでの品質やセキュリティは維持した上で、新たな機能が追加されることを期待しています。ディスカッションを通じて、実現の可能性を一緒に考えていければと思っています。
CBT化で試験は紙を卒業しつつありますが、課題はまだいろいろなところに残っています。そのひとつは証明書です。受験者が海外在住の場合、FedExで証明書を届けると一通につき数千円のコストがかかります。東南アジアはかなり改善しましたが、アフリカの一部などでは送った証明書が届かない地域もあります。受験者にとって自分のスキルを示す大切な証明書を確実に届けるために、弊社では一部の検定試験で独自にブロックチェーン証明書を発行しています。こうした証明書の電子化サービスもプロメトリック社に今後期待するところです。
弊社ではIT技術に関する試験を多く扱っていますが、最近はIT技術分野以外の試験のCBT化に興味を持っています。DXという言葉が示すように、デジタル化は様々な分野に進んでいます。重厚長大でこれまでデジタルと無縁だった建設業界や、人の手が癒しを生み出すリラクゼーション業界でも、そこで活躍するプロフェッショナルのスキルを証明するCBTの需要は今後高くなっていくだろうと捉えています。こうしたCBTの未来に関しても、プロメトリック社と一緒に考え、未来のCBTを推進していければと期待しています。
今回の取材にご協力いただいたお客様
株式会社サートプロ
代表取締役CEO 近森満様
https://www.certpro.jp/